アズテックの教育支援・推進制度と利用者の声
2024.11.01 | 調査コラム
1. はじめに
アズテックは、クオリティの高い知的財産サービスを世の中に提供し続けるために、社員の教育支援に力を入れている会社です。
私が所属する総務管理部では、社員が自由に学べる環境を整えられるよう、アズテックの教育支援・推進制度の改善や導入の提案を行っています。
今回は、従来から改善・新設された2つの制度についてご紹介します。
2. アズテックの教育支援・推進制度
【教育支援制度】
業務に関する研修やセミナーの受講、図書等資料の購入、公的資格・外国語習得の為の受験や受講など、各社員の教育や自己啓発に対する経済的支援を行っています。
こちらの制度については、過去の調査コラム「アズテックの社内支援制度」
でも言及していますが、今回はより詳しい内容をご紹介出来ればと思います。
【グループ教育推進制度】
個人の利用を目的とした教育支援制度とは異なり、管理職(以下リーダー)が自身の管理するグループメンバーに対して効果的に教育を行うために、2年前に導入された制度です。(グループは数名~10名程の課を意味しています。) グループ毎に予算を配分し、リーダーの判断で利用できます。
今回ご紹介するのは上記2つの制度ですが、これらの制度の他にも、社内で組織されたチームが研修テーマを決めて実施する調査研修や、知的財産協会主催の研修参加への補助も積極的に行われています。
3. 改善された点
教育支援制度は、以前は研修・セミナーの受講、公的資格・外国語習得の為の受験に対して、補助率は50%でした。また原則として、事前申請が必要となっていました。
しかし昨年度より、上記の補助率を100%とし、事後申請も認められるよう改定したことで、利便性が向上しました。
4. 制度の利用内容
実際に教育支援・推進制度がどのように利用されているのか、過去の利用申請を元に以下にまとめました。
教育支援制度では、
・弁理士試験や知的財産管理技能検定、検索技術者検定などの受験勉強のための書籍購入や受験料
・特定の技術分野をより深く学ぶための専門書籍の購入
・特許検索競技大会の過去問の購入
・知財に関する研修・セミナー参加のための受講料
・モチベーション向上やリーダーシップ、思考法を学ぶための書籍購入、セミナー受講
グループ教育推進制度では、
・プレゼンテーション力向上のための外部研修にグループ全員で参加
・リーダーおすすめの書籍をグループ全員で購入し、勉強会を実施
・外部講師に依頼し、文章力向上のための社内研修を実施
尚、両制度とも研修・セミナーへの参加については、休日や業務終了後だけではなく、勤務時間内に受講することを認めており、時間的制約がないことで、受講意欲の向上にも役立っています。
5. 社員の声
社内で積極的に教育支援制度を利用している新入社員Aさん、入社12年目社員Bさん、入社10年目社員Cさん、入社9年目社員Dさんの4名の社員に制度に対する意見を聞いてみました。
・積極的に教育支援制度を利用されていますが、どのような目的や目標を持って利用されていますか。
Aさん:初めて業界に飛び込んだ新人なので、まずは知財に関する基礎的な知識を早く身につけたい、という目標を持っています。
Bさん:私は、今までの経験の枠を超えたところで知見を得て、できることを増やしていきたいという目的を持っています。すぐには役立たないものが多いので定量的な目標は立てていません。
Cさん:自身の知識および業務遂行能力の向上を図れればと思い、活用しています。
Dさん:私は、調査案件の理解度を上げて、調査設計やスクリーニング効率に役立てることを目的としています。
・教育支援制度の魅力を教えてください。
Aさん: 何かを学んで業務に生かしたいと思ったときに、教育支援制度が用意されていることで会社にその意欲を後押ししてもらえるような気持ちになります。
Bさん:私は、参加してみたい研究会や勉強したいことがあるけれども、自費では参加しづらいなと感じた時に活用させてもらっています。
研究会やセミナーへの参加や、少し高額な書籍購入の心理的ハードルが下がるところがいいところだと感じています
Cさん:私は図書の購入を中心に活用させてもらっていますが、特許に関する専門書などは価格が高いものも多く、制度を利用することで必要と思う本を気兼ねなく入手することができて助かっています。また、知識や資格があると業務に活用できるかなといった新しい分野に挑戦してみようとする場合にも、後押ししてくれる制度かなと思います
Dさん:資格試験の受験料とテキスト類を数冊合わせて申請するのに十分な補助金額であることです。
・実際に取得した資格は何ですか。
Cさん:知的財産管理技能士です。テキストの購入から受検料まで制度を利用させてもらいました。入社当初、知財知識が乏しかった自身への自己啓発の意味で資格を取得しました。特許調査のプロとしてのスタート地点に立つための良い勉強となりました。
Dさん:私も、知的財産管理技能士を取得しました。
・業務にどのように役立っていますか。
Aさん:これまで知的財産管理技能検定のテキストと、会社四季報を購入しました。知的財産管理技能検定のテキストは、知財に関する基本的なことを調べたいときに辞書のように使っています。ゆくゆくは実際に資格取得に挑戦したいと考えています。
また、会社四季報は企業や業界を調べる上で最新の情報を得るのに非常に役に立っています
Bさん:通常業務や会社の中だけではなかなか得られない知識や経験をすることができるので、「こういう方法もありますよ」と提案できる機会があったり、「○○社の人がこのようなこと言っていた」と他社と比較をしたり、周りの人があまり経験していないことに関して「私もやったことがありますよ」と言えるなど、徐々にいろんなところで役に立っているように思います。会社としても自分自身も、現状維持ではなく、時代に合わせて発展したり変わっていかないといけないと思っているので、普段できない経験をしたり、知識を仕入れることで、いざという時に意見ができたりサポートしたりということができるようになりたいと思っています。また、外部からの刺激を受けたり書籍を購入すると、やる気が出ます!
Cさん:制度で購入した図書は、調査技術の下調べや特許を取り巻く様々な情報の理解に役立っています。Web検索では得られにくい詳細な情報を得るのに助かっています。
Dさん:私は、打合せでの調査提案や、調査設計時の検討に役立っています。
今回は、改めて様々な角度から教育支援制度の活用法や魅力を教えてもらっただけではなく、制度に対する改善点ももらいました。例えば、他の社員の利用内容を知りたい、研修・セミナーなどの参加費用は年間補助金額の満額相当になってしまうものもあるので補助金額の考慮して欲しい、在宅勤務中の領収書提出が少々手間であるなど、の意見でした。
6. 最後に
以上、アズテックの教育支援・推進制度をご紹介しました。本稿の執筆に際して実際に利用者の声を聞き、これらの制度がより良い特許調査を実現することにつながっていると改めて実感しました。
今後も専門知識や専門技術等向上のため、社員自らが学びやすい環境をさらに整えられるよう、継続して制度のブラッシュアップを検討していきたいと思います。
総務管理部 小倉(歩)