特許検索競技大会2025 団体の部1位獲得
2025.12.08 | 調査コラム
1. はじめに
当社は2025年9月に開催された、一般財団法人工業所有権協力センター(IPCC)主催の「特許検索競技大会2025」において、団体の部で第1位を獲得いたしました。
特許調査・技術分析を専業とする企業として、これまで培ってきた知見と技術力が特許検索競技大会という大きな大会で評価されたことを、大変光栄に思います。
本コラムでは、大会の概要と結果、そして出場メンバーの声をご紹介します。
2. 特許検索競技大会とは
特許検索競技大会は、2007年からスタートした、日本で唯一、特許調査の実務能力を評価する大会です。
特許検索競技大会公式Webサイト 特許検索競技大会とは
2013年からは一般財団法人工業所有権協力センター(IPCC)が主催しており、年々その規模は拡大しています。
本大会は、参加者の実務能力を向上させるための大会であり、試験形式の『大会』と大会で出題された問題の解説を行う『特許検索スキルアップセミナー』の2つから構成されています。大会結果が、参加者のモチベーションアップと更なる自己研鑽に向けた原動力へとつながり、その後再度大会に挑戦することで自らの成長を確認する、といった実務能力向上サイクルの基点となることを本大会は目指しています。
特許検索競技大会は単なる順位を競う場ではなく、参加者一人ひとりの実務力を高め、知的財産分野全体のスキル向上を促す取り組みとして位置づけられています。
大会の内容は実際の特許調査業務を想定しており、検索式の構築力や分類の理解、文献の正確な判別といった、実務に直結する能力が問われます。多くの参加者がいる中で、知的財産実務者にとって、自身のスキルを客観的に確認し、次の成長へつなげる絶好の機会といえるでしょう。
3. 大会の結果
本年、当社からは調査部の、静野、工藤、加藤の3名が団体の部に出場したことに加え、調査部から計12名が大会に出場しました。
結果、当社チームは団体の部で見事第1位を獲得いたしました。この結果は、個々の高い専門性と継続的なスキル向上の努力が実を結んだものだと考えています。日々の業務での調査精度の追求と、最新の検索技術への理解が、大会でも発揮されたといえます。
また、団体の部の結果の他でも、以下の認定をいただくとができました。
・ゴールド認定:1名
・シルバー認定:1名
・ブロンズ認定:2名(うち初入賞1名)
アズテックでは大会結果に基づき社内表彰式も開催しています。社内表彰式では、公式認定以外にも「初入賞」「急成長賞」といった独自の表彰も行い、全社を挙げて大会への参加を奨励・応援しています。
ブロンズ認定のうち1名は今回が大会初認定であり、昨年までに続き新たな人材も成長し続けています。
4. 団体メンバーコメント
団体の部メンバーとして出場した3名のコメントを紹介いたします。
■調査1部 部長 静野 健一
この度は、特許検索競技大会2025において、団体の部で第1位という栄えある賞を頂き、一同大変うれしく思っております。
調査会社としての総合力が問われる団体の部で、このような結果を得ることができたのは、日頃よりご指導をいただいているお客様のおかげに他なりません。心より感謝申し上げます。
近年、生成AIの発達により、特許調査・分析の在り方は大きな転換点を迎えています。単に「お客様から指示されたものを調べる」だけでは、十分な付加価値を提供しにくい時代となり、私たちにはより高度な視点や主体的な働きかけが求められるようになりました。
アズテックでは、生成AIの登場以前から一貫して、
・そもそもお客様がおかれている局面において、どのような情報が本質的に必要なのか
・その情報を得るために、どのような調査・分析が最適なのか
・調査分析の結果は何を意味し、それをお客様の意思決定にどう活かすべきなのか
といった、調査の目的と価値そのものを深く考え続けてきました。そして、検索技術とはこれらを実現するためにあると位置づけてきました。
今回、生成AIの使用が認められた本大会においても、こうした姿勢が成果として現れたことは、私たちの歩んできた方向性が決して間違っていなかったことを証明するものだと感じています。
これからも、時代にふさわしい価値創出を追求し、お客様、ひいては社会全体へ貢献できるよう、たゆまず研鑽してまいります。
■調査2部 工藤 真未
団体戦での参加ということで、当日欠場して迷惑をかけないか、足を引っぱらないかと緊張していましたが、今回このような結果を残すことができ、ほっとしています。
ここまで来られたのは、諸先輩方やお客様、同僚の皆さんにたくさん支えていただいたおかげです。これまで関わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。
生成AIの進化で業界が大きく変わろうとしている今、どんな姿勢で仕事や日々の出来事に向き合うかがますます大切だと感じています。
今回の結果を励みに、今後もさらに精進してまいります。
■調査1部 加藤 明香
この度は、ゴールド認定を何度も取得しているメンバーとの団体受験ということで、大変緊張いたしました。私自身は今回もゴールド認定には届きませんでしたが、日頃からこのように非常にレベルの高いメンバーと切磋琢磨することで、自分の力が着実に伸びていると感じています。
私も参加したうえで団体一位を獲得できたことは、こうして培われた弊社全体の高い実力を示せたのではないかと考えております。
5. 最後に
今大会での団体の部1位という結果は、日々の積み重ねが認められた結果であり、一人ひとりの研鑽の証でもあります。特許検索競技大会は単なる順位を競う場ではなく、自身のスキルを客観的に見直し、改善点を発見できる貴重な機会です。
当社では今後もこのような外部競技への参加を通じて、実務力の向上を図るとともに、お客様により的確で信頼性の高いサービスを提供できるよう努めてまいります。
これからも「調査のプロフェッショナル」としての誇りを持ち、知的財産の発展に貢献してまいります。
総務管理部 久光
【参考】
・特許検索競技大会 https://www.ipcc.or.jp/contest/

